どうも、インターネット雑談マン@netzatsudanmanです。
生まれも育ちも関東民の僕ですが、東南アジアに駐在しています。
今回は、これからはじめて外国人の部下を持つという、新人マネージャーに向けて、現地の部下との付き合い方についてのメモを残します。
これから海外で駐在を始める方、現在駐在しているが、駐在先のスタッフとどう付き合えばいいかわからない方、日本国内で外国人の方を部下にする予定のある方、少しでもお役に立てれば幸いです。
基本、自分への戒め。
「外国人」という認識では足りない!
「育った国が違えば価値観が違う、考え方が違う」
当然そう覚悟して駐在を始められると思います。
ですが、
- 同じアジアだから
- 仏教徒だから
- 21世紀だから
- 顔立ちが日本人っぽいから
- 日本人よりノリがいいから
- 真面目だから
- スマホを使いこなしているから
- お米が好きだから
- 日本文化が好きだから
- 日本から○○キロしか離れてないから
- 何百年前から日本と交流があるから
- 交通が発達したから
- インターネット社会だからi
- 男だから女だから
- 年齢が近いから
などなどなど、
自分が受け入れやすい理由を探してみたり、なんとなく大丈夫だろうと思ってしまっていないでしょうか。
残念ながら全然足りません。
所詮僕らは、ほとんど日本人しかいない島国の人間です。「価値観が違う」ということが、わかっているわけがないんです。
「外国」という程度の認識を変えましょう。地球規模で考えてたら間に合いません。
ここは宇宙です。
彼らは、アジア人でもヨーロッパ人でも、北海道人でも沖縄人でも、隣の中学校のヤツでも、幼馴染でもありません。
じゃあなんなのか?
ケプラー452b星人です。
ご存知ですか?ケプラー452b。太陽系から1400光年離れた、地球に似ている惑星です。イメージしづらいので、身近な星とくらべてみます。
光の速さだと火星までで4分くらいです。月なら1秒ちょいくらいです。地球なら1秒で7周くらいイケます。その光速で1400年かかる距離。ヤバイ。ヤバイとかいうレベルじゃない。
「小野妹子が隋に派遣されたと同時に、地球を光速船で出発して、ようやく今年駐在がはじまった」
とか、そういう意味不明な例えしか出てきません。全然なんだかわからない。そういうことなんです。なんだかわからない世界の住人を部下にするんです。
ケプラー452b星では、
- 出会い頭にぶん殴ることが友愛を示す行動かもしれない。
- お腹がすいたら太陽光を吸収するかもしれない。
- 声を使わずにテレパシーで会話するかもしれない。
- 貴族の行列を見かけたら、ひれ伏さないと処刑されるかもしれない。
- 信号は赤が進めかもしれない。
- 女性は狩り、男性は家事をしているかもしれない。
「普通は」
なんて言葉が通用すると思ったらダメです。常識を疑え!!!!
「オレ、オマエ、トモダチ」の精神で行け!
逆にケプラー452b星人からしても、僕達は遥か1400光年先から来た、得体の知れない宇宙人です。
- 急に攻撃してくるかもしれない。
- 未知のウイルスを持っているかもしれない。
- 急に拉致されるかもしれない。
そういう不安を取り除いて、「共存共栄でやっていきたいんだよ」という気持ちを伝えていかないといかません。
日本人は表情が硬く、普通のときでも「怒っているのか?」と誤解されがちです。笑顔&笑顔&笑顔&笑顔で接近遭遇しましょう。
どうしても笑顔になれない場合は、「今日、体調が悪いためグッタリしていますが、気にしないでください」と笑顔でないことに理由をつけて、安心させてあげましょう。
部下が失礼なことをした、部下が嘘をついた、それでも笑顔です。失礼なことをさせる環境、嘘をつける環境を用意した自分の責任です。でも仲良くするだけはNG。
郷に入れば郷に従えとは言いますが、日系企業として、日本のお客さんを相手にしている以上、現地の社員にもある程度日本流でやってもらわないといけないので、完全にケプラー452bの流儀に合わせることはできません。
バランスダイジ!!!絶対ダメなことはダメ!!!!
一人二人が申告してきた、ケプラー文化が「本当にそうなのか?」の確認も必要です。必ず裏を取ってください。
「察しろ」は甘え!
「察しろ」は日本人特有の特殊技だと思ったほうがいいです。はっきり言います。僕らが狂ってるんです。
仕様書に書いてなかったら作れません。「言わなくてもわかるよね?」は、ケプラー452b星人から言わせれば、「わかるわけねえだろ」でしかありません。
わかっていてもやらないことがあります。逆に指示されていないことを勝手にするほうが、悪いことだと考えるからです。
もう、なんなら言ってしまうべきです。
「仕様書が出来上がりましたが、影響範囲に不安な点があります。現在の仕様書の内容で問題がないかどうか、調査する仕事をしてください」と。
その工数も確保して、「察し方」を具体的に教えるしかありません。
極端な例を上げます。
———
①AAA
②BBB
③CCC
———
③の下の行に「④DDD」を追加してほしい場合は、「③の下の行に「④DDD」を追加してください」と言うべきであって、「最後にD追加しといて」などと指示してはいけません。
正しい答えが、
———
①AAA
②BBB
③CCC
④DDD
———
だとして、先程の指示では
———
①AAA
②BBB
③CCC
・d
———
となる可能性があります。これが「察しろ」系の指示の結果です。上の例を見て、「普通わかるだろ」と思った方は要注意。
「自分は驕っていないだろうか?」を日々確認!
周りに日本人がいない、部下は業務経験のない若者ばかり、必然的に部下が困ったら頼るのは自分。日本本社も現地の様子がわからない。自分を通さないと現地をコントロールできない。
そういう環境だと、だんだん自分が日本人を超えた日本人。スーパー日本人になった気がしてきませんか。
アカンです。完全驕ってます。僕らはドラゴンボールで言ったら、がんばってもホワイト将軍とかそのくらいです。激しい驕りによって目覚めてはいけません。「僕はケプラー452b星で働かせてもらっている」くらいの気持ちでいましょう。
ケプラー452b星はまだまだ駐在員も少ないので、調子に乗ってるとすぐ駐在界隈で「あいつは王様気取り」と噂されてしまいます。また、「仕事を教えてやる」「日本はスゴイんだぞ」的な、上から目線もNGです。
ケプラー452b星人にはケプラー452b星人の目的があります。「地球!日本大スキ!日本の技術超サイコー!全部従う!教えて!教えて!」と思っているわけではありません。
「家族のために、とにかく金を稼ぎたい」とか、「技術を学んで独立して自分で事業やりたい」とか、「なんでもいいから地球に行くための踏み台が必要」とか、いろいろな理由があります。「仕事をしてもらうために、必要だから教える」くらいの気持ちでいましょう。
上から目線は相手に失礼なだけでなく、「あんなに育っててやったのに裏切りやがった!」という的外れな怒りにつながる恐れがあります。
自分の精神衛生上も、調子に乗りすぎないように気をつけましょう。
「目的」を意識し続けろ!
僕らの目的は何かって、そりゃ「会社の売上に貢献すること」なんです。
駐在員なんだから。
- 現地の文化を学ぼう!
- 現地の社員とコミュニケーションを取ろう!
- 日本文化を教えよう!
- ビジネスマンとして成長させよう!
そういうのは、直接的なものも間接的なものも全部、手段なんですよね。大事なこともあると思うんですけど。
「売上に貢献する」
この目的を忘れて現地にどこまでも踏み込んでいくと、だんだんおかしなことになってきます。言い方としては最悪ですが、「売上出てるんだから何でもいいじゃん!ヒュウ!」が僕の理想です。
指示通りに製品を作って、お客様に納品して、お金を貰えるなら、それ以上のことはありません。
人にもよると思いますが、経験上、踏み込みすぎると心がやられます。寂しいようですが、どこかで線引は必要です。俺は俺で、アイツはアイツ。
まとめ
長く駐在していると、最初は謙虚だった気持ちが、だんだん「なんでわかんねーんだよ!!!」とか、「何度もそう言ったろ!」になりがちなんですね。驕りまくりの、察しろまくりです。
「わかってくれる<ハズ>だ」「できる<ハズ>だ」
完全に妄想の世界です。妄想の中で踊り狂ってるだけです。狂人の部下になるのは最悪です。気をつけたいと思います。初心に戻って、また改めて駐在生活頑張ります。それから・・・困ったら瞑想!!瞑想は怒りを消してくれる・・・駐在員は瞑想しろ!!!
嫌なことをされたときに、「ケプラー452b星人は全然ダメだな!」と思ってはいけません。個人の問題です。1度2度の悪い思い出で、全員を一括りにするのはやめましょう。
正直、性悪説ベースで考えていたほうが、傷つかずにはいれます。ルールを元に平等にやる以外、良いやり方ってない気がするなぁ。
地球への道のりは長い。
To be continued…
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